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指導と競技、二足のわらじ 重量挙げ・丹下拓也さん
重量挙げの全国大会優勝経験者が、高校生指導と選手の“二足のわらじ”で奮闘している。伊万里特別支援学校講師の丹下拓也さん(26)=佐賀県武雄市=は、有田工高で選手育成に努める一方、2024年に佐賀県内で開かれる国民スポーツ大会(国スポ)での入賞を目指し、自身の競技力向上に励んでいる。
丹下さんは岡山県出身。国体入賞経験のある4歳上の兄に影響を受け、倉敷商高で競技を始めた。「努力が数字に表れる競技。記録を更新できた瞬間の爽快感がたまらない」と技術を磨いた。
ただ、全国高校総体出場はかなわず「このままでは終われない」と強豪の九州国際大(福岡)へ進学。3年時のインカレでレギュラー入りし、団体3位に貢献した。卒業後は一時、競技から離れたが、働きながらトレーニングを続ける大学の先輩らに触発され復帰。19年の全日本社会人選手権大会61キロ級で優勝した。
そのころ、県内の高校で唯一活動する有田工高では前任者の退職などで専門的な技術指導者が不在だった。県ウエイトリフティング協会の競技経験者の下で強化を図ったが、県保健体育課や県競技力向上推進室は教員免許を持ち、年間を通して継続的に活動に関われる選手兼任の指導者を探していた。
選手として、国民スポーツ大会出場を目指していた丹下さんは「岡山では、同じ階級に日本トップクラスの平井隼人選手がいて、代表権をつかむのは容易ではない。新たな環境でチャンスを探りたかった」。大学時代を過ごし、当時のチームメートらも住む九州での新たな挑戦を決めた。
昨年4月から伊万里特別支援学校に勤める傍ら有田工高を率いる。記録更新につながるフォームなどをアドバイスしながら、ともに汗を流し、自身のレベルアップにも余念がない。丹下さんは「挙げる姿を間近で見せ、選手のやる気を引き出し、全国で戦う喜びを味わわせたい。国スポでは佐賀の総合優勝への力になりたい」と話す。(古川公弥)
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