4.5ミリの的の先に見据える世界の舞台
10メートル先の直径わずか4.5ミリの的に狙いを定め、引き金を引く一瞬を見極める。ライフル射撃で高校年代国内トップクラスの実力を持つ野口雄吏(佐賀北高)は、高校卒業後も新天地で競技を続け、国際大会出場を目指す。
「スポーツはからっきしだめだった」という小学4年の時、母親の知り合いから紹介されライフル射撃の体験会に参加。「ルーティンを繰り返し、突き詰めていく過程が楽しい」と、自分自身に向き合う競技性に魅了された。「ただ楽しいから撃っていた」という小中学時代から一転、高校生になり競技人数が一気に増えたことを機に、勝敗や結果を意識し始め、練習にもより熱が入った。気持ちの切り替えや修正力を武器に、2025年3月の全国選抜では初の日本一に輝き、10月に滋賀県で開催された「わたSHIGA輝く滋賀国スポ」ではエアライフル30発で準優勝。世代を代表する選手に成長した。
競技普及にも熱意
構えが基本のライフル射撃。呼吸や筋肉の緊張を自分のものにする必要があり、練習では1時間構えるだけのメニューもある。「すればするほど奥深く、飽きは全くこない。ライフル射撃に巡り会えたことは本当に運が良かった」と熱は冷めない。
「自分が好きなスポーツを、もっと多くの人に知ってもらいたい」と、競技普及にも意欲を見せる。練習場所である佐賀市のSAGAスタジアムパークシューティングレンジでは、県内の高校から選手が集まり、ともに練習を重ねる。野口は自身の練習の傍ら、仲間へアドバイスをしたり、体験会に選手として参加したりと、県の競技力向上にも尽力してきた。「いい環境がある。これからも強い佐賀県であってほしい」と練習場を見渡す野口は、高校卒業後も競技の周知やタレント発掘に意欲を見せる。
強豪校で世界を目指す
高校卒業後は、立命館大に進学して競技を続け、さらなる研鑽を積む。立命館大射撃部は全国屈指の強豪校で、佐賀県の先輩たちも在籍している。多くのライバルたちとしのぎを削ることになるが、「不安はない。いい刺激を受けて自分がどこまで上がれるのか楽しみ」と闘志を燃やす。さらに成長した先で「オリンピックや世界大会に出たい」と野口。的の先に世界の舞台を見据える。