一歩ずつ、高いレベルのバレー目指し
悔しさ残る高校バレー
高校バレー最後の舞台となった、2022年1月の全日本バレーボール高校選手権大会(春高バレー)。憧れのオレンジコートで目指した初の16強は、あと一歩届かなかった。相手は広島の古豪・崇徳高。試合はフルセットまでもつれ、マッチポイントを4度握りながらも、あと1点が遠かった。
県大会では勝って当たり前だった、常勝チームの佐賀学園高バレー部。チームの要となるセッターとして、高校1年の新人戦からレギュラーに定着した。同級生でエースの白熊太陽選手らと共に全国の上位を目指し、個人の課題にもチーム全体で考えて取り組むなど常に意識を高めて練習を続けてきた。それだけに、「もう少し先に行けたはず」との思いが残った。
大型セッターとして活躍
バレーボールとの出会いは小学3年の時。2歳年上の友人に誘われ、練習に参加した。高い打点を生かしたスパイカーとしてチームを引っ張り、中学でも中心選手として活躍した。
転機は、中学3年の時に県選抜チームとして参加した、全国都道府県対抗中学バレーボール大会。球質の良いパスを生み出すひじや指の使い方に天性のものを見出した、蒲原和孝佐賀学園高監督らの勧めもあり、セッターに転向。ネットの幅を広く使った高いトスに加え、高さを生かしたブロックや強烈なサーブなど、他校のセッターにはない自らの長所を生かしたプレーも磨いた。U-18日本代表候補にも選ばれ、将来を嘱望される選手に成長した。
高校卒業後、2022年4月から日本体育大に進む。春高の舞台などで戦った全国のライバルたちとしのぎを削り、まずはチームに貢献できる選手となることを目指す。けがを未然に防ぐため体のケアにも気を配るなど、高校時代とは1段違った意識も芽生え始めた。「大学では自ら考え、行動する必要がある。高いレベルの選手との差を埋めるよう、頑張るしかない」。佐賀から羽ばたいた大型セッターが、新たな扉を開いた。
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