HIGASHIJIMA Haruki
すべてはチームと勝利のために
水中の格闘技
プール内に作られた30m×20mのコートの中で、7人で構成したチーム同士がゴールにボールを入れ合う競技、水球。「水中のハンドボール」ともいわれるが、その激しさから「水中の格闘技」との異名がぴったりとくる。さらに、常にプレー中は泳ぎ続けることが求められるため、運動量は相当なものとなる。
佐賀東高水球部の練習でも、深さ2メートル以上のプールで常に立ち泳ぎしながらのプレーが求められ、選手たちの激しい息遣いが聞こえてくる。
水球一家に生まれて
母、兄、姉が水球をしていたことが縁で、水球を始めることは自然な流れだった。幼少期から水に親しみ、小学1年からは水球に本格的に取り組んだ。小学3年の時、神奈川県から京都府へ転居。水球だけでなく、競泳やアーティスティックスイミングで多くのオリンピック選手を輩出した水泳クラブ「京都踏水会水泳学園」に入り、さらに力をつけた。
中学3年時の全国JOCジュニアオリンピックカップでは、春と夏の大会で2連覇を達成。日本一も経験した。さらに大会の優秀選手である「ベストサーティーン」にも選出され、将来を嘱望される選手に成長した。
ポジションは右サイドのドライバー。いわゆる、サッカーのウィングのような位置で、ボール運びやパス回しなどを担うチームの司令塔として活躍する。積極的にプールを泳ぎ回ることで「チームのメンバーを生かすようなプレーを心掛けている」。
さらなる成長を期し、佐賀へ
中学卒業後の進路に、佐賀東高水球部を選んだ。きっかけは、2024年の佐賀国スポ。「地元開催の国スポに出場する経験はめったにないこと」とチャレンジ精神に火が付いた。中学時代に、ともに競い合った仲間が多く所属する京都府チームとの対戦が楽しみだ。「京都に勝つ」と力を込める。
目下の目標は、インターハイと国体への出場。ともに九州大会での上位進出が条件となるが、2022年の九州新人大会ではメンバーを欠きながらも3位に入った。プレー中は「熱くなりやすい」と自己分析するが、水球の魅力について「みんなで助け合わないと勝てないところ」とチーム思いの一面も見せる。チームの司令塔が冷静に燃えるとき、目標とする景色がきっと広がっているはずだ。
東島 陽葵 選手
競技:水泳(水球)
ひがしじま はるき
2006年11月2日生まれ。神奈川県生まれ。衣笠中(京都市)―佐賀東高。小学1年から水球を始める。小学3年から京都踏水会水泳学園に所属。同学園のチームで、2021年JOCジュニアオリンピックカップの水球競技で春、夏の連覇。大会優秀選手の「ベストサーティーン」にも選出される。