HIGUCHI Ryo

日本で一番の演技目指して

神埼ジュニア新体操クラブ

 タンブリング(回転技)や切れのある徒手など、力強い演技で見る人を魅了する男子新体操。神埼ジュニア新体操クラブでは幼児から中学生までの約40人が、楽しみながらもまっすぐに新体操と向き合っている。子どもたちは前転や後転などの基礎をしっかりと身に付けたあと、側転やバック転などの「大技」に挑戦する。演技では、音楽に合わせて指先まで意識した動きを見せ、表情は真剣そのものだ。
 クラブの門を叩いたのは小学2年生の時、先輩からの誘いだった。幼少期から「鬼ごっこが大好きだった」という活発な男の子だったが、男子新体操の迫力ある演技に一瞬で魅了された。スピード感あるタンブリングをやってみたい、そんな気持ちが芽生えた。練習をすれば、新しい技ができるようになる。その好循環が楽しくて仕方なかった。

譲れない「日本一」の座

 練習は、神埼清明高の体操場。隣では、名実ともに日本トップレベルの神埼清明高男子新体操部の生徒たちが練習している。練習環境としては抜群だ。高校生の練習を見ると、「修正する力が高い」と感じる。一つ一つの練習の意味、競技に向き合う意識の高さなど様々なことを貪欲に吸い取っている。
 中学最後の目標は、全日本ジュニア新体操選手権での優勝。ここ2年は連続で3位と、頂点から遠ざかっている。「中学最後の大会で、キャプテンとしてチームを必ず日本一に導きたい」。そのために、チームの誰よりも厳しく、真剣であることを自らに課している。

高1からレギュラーを目指す

 中学卒業後も、もちろん新体操を続ける。進学先は神埼清明高を志望している。さらにもう一段高いレベルの舞台となるが、「1年からレギュラーになりたい」と意気込む。「新体操選手として将来の夢は」との問いに、「目の前の大会や目標に全力で臨むだけ」と実直な一面を見せる。
高校総体や国スポでの優勝など、目標とする成績はあるだろうが「いい演技ができた時、親とか応援してくれる人たちが喜んでくれることが何より嬉しい」と語る。演技で人を喜ばせるというパフォーマーとして重要な才覚を、すでに備えているようだ。

樋口 諒 選手

競技:体操(新体操)

ひぐち りょう

2008年6月21日生まれ。神埼市出身。神埼小-神埼中。小学2年の時に新体操を始める。2023年6月の県中学総体から地域クラブの参加が可能となり、神埼ジュニア新体操クラブのキャプテンとして出場し、団体と個人総合で優勝。同年8月の九州中学校体育大会でも団体、個人総合で優勝した。