国内3大大会のうち2つを制覇

　ボウリングの最高得点は300点。試合では点を積み上げるというより、どれだけ点を減らさないか、という争いになる。回転の少ない正確なストレートが持ち味で、確実にスペアを取るスタイル。大きく崩れることも少ない。体幹が強くバランス感覚に優れており、「再現性のスポーツ」と呼ばれるボウリングにおいて優位性を備えている。
　ボウリングにおける3大大会、全日本選抜選手権、全日本選手権、国体のうち2つで頂点に立ったトップボウラーだが、プレイ中の表情は常にクール。だが「かなりの負けず嫌い」な一面も持つ勝負師で、貪欲に勝利を求めている。

和歌山から佐賀へ

　ボウリングとの出会いは小学3年の時。友人の誘いでボウリングを始めた4つ年上の姉を追いかけて、スタートした。負けず嫌いの性格が奏功して徐々に頭角を現し、中学3年時に地元の和歌山国体に出場した。少年女子ダブルス6位と満足できる結果ではなかったが、大舞台を経験したことで、練習にさらに力を入れた。
　高校、大学と順調にキャリアを重ね、社会人としてどのようにボウリングと向き合うかを考えていたときに、佐賀から声がかかった。和歌山では家族のサポートがあり、先輩ボウラーらが引っ張ってくれた。「社会人としても、ボウリングにおいても自立したい」。成長を期して、拠点を佐賀に移した。2023年4月から佐賀県庁の職員として仕事とボウリングの両立に挑んでいる。

佐賀国スポ優勝を目指し

　国体にはこれまで7度出場しているが、優勝できたのは大学4年で迎えた2022年の栃木国体が初めて。高校時代には4回の全国制覇をしたものの、国体少年の部では勝つことができなかった。「国体はやっぱり特別。高校生の時は自分にプレッシャーをかけすぎて思ったように投げられなかった」と振り返る。大学生となり成年の部に移ると、「私がやらなきゃ」というくびきが外れ、自分らしさを取り戻し栃木国体での活躍につながった。
　佐賀県代表として初めて臨んだ2023年の鹿児島国体。成年女子団体（2人チーム）に出場し、結果は5位。和歌山チームでは最年少だったが、佐賀では最年長。「相方のカバーができなかった」と、悔いが残る結果だった。和歌山時代に「周りの人に本当にかわいがってもらった」と感謝の思いがあり、「次は佐賀で自分が周りを支える番」という強い気持ちがある。それだけに、地元の佐賀で開かれる国スポには並々ならぬ思いがある。佐賀の天皇杯獲得に向けて、優勝だけを目指している。