MIURA Syuya
大学制覇し、その先の世界・五輪へ
SAGA2024のレスリング少年男子グレコローマン71キロ級準決勝。鹿児島国体に続く連覇を狙っていた三浦修矢選手は試合終了のブザーが鳴ると同時に、マットにしゃがみ込んだ。対戦相手は前回大会で快勝していた静岡県の選手。「いけるだろう」と自信を持って臨んでいたが、相手は前年と比べ体が大きく成長し、力も強くなっていた。相手を持ち上げて投げて先にリードを奪ったが、グランドから3度のローリングを受け、逆転を許すことに。そのまま試合は終わり、「自分のグランドで終わらせるつもりだったができなかった。あそこで勝負を決められていたら」と悔しげな表情を見せた。
きつい練習乗り越え、体力に自信
三浦選手がレスリングと出合ったのは幼稚園の時。両親のすすめや4歳年上の兄が先に始めていたこともあり、「自分もやりたいと思った」と地元のクラブに入った。だが練習はきつかった。指導が厳しかったこともあり「楽しいと思ったことはあまりなかった」と振り返る。それでも試合に勝ったときには嬉しかったし、「走り込みに重点を置くクラブだったことで体力には自信がついた」という。その後もレスリングを続けていく基礎を築くことができた。
レスリングが本格的に楽しくなってきたのは中学校に入ってからだ。中学入学と同時に親元を離れ、寮生活をしながらレスリングに打ち込む道を選んだ。鳥栖中に在籍し、鳥栖工高で練習に励んだ。「高校生とも上下関係がなく、色々話せて楽しかった」という。寮生活を通して学ぶことも多く、一緒に暮らす先輩たちから競技のことだけでなく、普段の生活の大切さや食事の重要性などを教えてもらったという。
あこがれのグレコ、もっと強く
高校からは「大きい技が多く、かっこいいと中学の時からあこがれていた」というグレコローマン一本に絞った。上半身だけで戦うグレコローマンは筋力が必要で、食事では油物を極力避け、日々のトレーニングを通して筋力アップに励んだ。グレコローマンは上半身の筋力に加えて細かい技術も必要になることから、「ちょっとした気の緩みで流れが変わるのが面白い」とその魅力にはまっていった。2年時の全日本選手権では準々決勝まで進んだが、日本トップクラスの選手との地力の差も感じた。「体の大きさも技のうまさも違っていた。もっともっと頑張らないと」と決意を新たにした。
連覇を狙ったSAGA2024では準決勝で惜敗し、3位に留まった。「もっともっと頑張らないと」との思いは強くなっている。高校卒業後は強豪・育英大に進む。まずは先輩たちに追いつき、大学での日本一を目指すつもりだ。「世界大会や五輪はまだ想像もつかない世界」と話すが、大学での活躍の先にその世界は見えてくる。
三浦 修矢 選手
競技:レスリング
みうら しゅうや
2006年5月11日生まれ。熊本県玉名市出身。両親のすすめなどで幼稚園からレスリングを始め、小学校時代は全国少年少女選手権や全国少年少女選抜選手権などで成績を残した。中学時代はコロナ禍の影響で大会が少なかったが、3年時の全中で優勝。高校ではインターハイ優勝や国体優勝などの成績を残し、U17世界選手権にも出場した。