
インターハイ優勝、そしてロス五輪へ
佐賀国スポ、競泳最終日。表彰台で銀色のメダルを手にした15歳は、はじける笑顔を輝かせ、会場からは割れんばかりの拍手が降り注いだ。地元開催となった佐賀県勢にとって競泳では11年ぶりの表彰台、悲願のメダル獲得の瞬間だった。
競泳少年男子B100メートル平泳ぎ決勝。予選を首位で通過し、調子の良さを感じさせていた。決勝はとなりのレーンを泳ぐ高校生、大阪の大橋信との一騎打ちに。後半の追い上げも及ばず、惜しくも1秒12差で競り負けた。大橋とはこれまでにも対戦経験があり、ライバルでもある。勝ちきれなかった悔しさはあったが、2人そろって大会記録を更新したことをたたえ合った。自らが持つ日本中学記録を0秒25塗り替え、1分1秒41の新記録をたたき出したことについては「200点の結果」と喜んだ。
全中連覇、同世代に敵なし
水泳との出会いは4歳の時。ぜんそく気味だったことから体を鍛えようと、両親のすすめで佐賀市の水泳教室・ようどう館で始めた。「最初は楽しいとは思わず、練習をサボることもあった」という。幼少期は、決して他の子より泳ぎが早いということはなかった。
ただ、学年が上がるにつれさまざまな泳ぎに取り組み始めると、平泳ぎのタイムがぐんぐんと伸びた。小学校高学年のころには県内で敵なしの速さとなり、中学1年からはジュニアオリンピックの代表合宿にも参加するようになった。全国中学校体育大会では、100メートル平泳ぎで中学2年、3年時に連覇。大会最優秀選手賞も獲得した。
強さの秘訣は、膝下の柔らかさが生み出す強いキックと、クレバーな泳ぎ。何より、疲れが出る後半になっても泳ぎの形を崩さない冷静さが際立つ。「練習の段階から、いつも改善点などを考えながら泳いでいる」。
日本を代表するスイマーに
卒業後は、愛知県の中京大中京高に進む。全国でも屈指の強豪校で、ハイレベルな選手たちと日々、競い合うこととなる。佐賀を離れての生活となるため「洗濯とかがんばらないと」と笑うが、新たな挑戦に対して非常に前向きだ。「まずは高校1年からインターハイ優勝を目指す」と話す表情には、確かな自信が見える。これからは国内だけでなく、世界を見据えた戦いとなる。2028年のロサンゼルスオリンピック出場が目標だが、出るだけではない。オリンピックの表彰台を目指した戦いが、これから始まる。