究極の高速ターンを武器に 技術選で勝負
2026年2月、韓国・江原道で開かれた「国際ジュニアスキー技術選手権大会」。初めて日の丸を背負い、日本代表チームの一員として国際舞台に立った古賀選手。地元韓国を中心に各国から選抜選手が集まる中、高校男子の部で総合7位入賞。「4種目ある中で、得意の大回りで順位が伸びなかったのは不本意だったけど、小回りでは1位を取ることができた」。世界の強豪から受けた刺激は、高いレベルで戦い抜く覚悟を固める大きな糧となったようだ。
「フォームがかっこいい」という素質
父・健一さんはかつて天山スキー場に勤務し、スノーボードの元選手。古賀選手は物心ついた時から雪山で遊んでいた。父が幼い息子に選ばせたのは、ボードではなくスキーだった。スノーボードは動作が非対称なため、幼少期から始めると体に負担がかかり、競技生活を縮める恐れがあると危惧したからだ。
小学生から本格的にアルペン競技に取り組み、学校のない日はいつもゲレンデにいた。技術選手権(通称・技術選)への挑戦をスタートさせたのは中学生の頃だ。「周りから『滑っているフォームがかっこいいから出てみたら』と言われて。大会に出てみたら、いきなり大回りで12位くらいに入って、意外といけるんじゃないか、と」
ウィンタースポーツとは縁遠い九州では、技術選の認知度はまだ低い。タイムを競うアルペンや、技の難度を競うフリースタイルとも異なり、滑走時の操作性、安定性、スピード、そして美しさといった「総合的な技術力」を審判が採点する。大人の大会では主にプロのインストラクターたちが頂点を競い合う世界だ。
九州どころか西日本でも選手は少なく、テクニックは独学で磨くしかなかった。極限まで体を内側に倒し、エッジを雪面に直角に立てる高速ターン、腰が雪面に触れるほど深く落とし込む滑りは、古賀選手の存在を知らしめる武器となり、古賀選手のことを知らない関係者でも「あの滑りの高校生か」と印象に残るほどのインパクトを与えている。韓国での国際ジュニアでも、ライブ中継の地元解説者が「えっ、なぜ倒れないの?」と興奮した声を上げた。
父の支えに「滑りで感謝示したい」
練習環境のハンデは大きい。2022年に天山スキー場が営業を終了し、現在は大分県や広島県のスキー場に、父・健一さんの運転で何時間もかけて練習に通う。照れくさくて口に出すことは少ないが、「いつも支えてくれるおかげ。滑りで感謝を示したい」と父への思いを語る。
この春、敬徳高校を卒業する。今後も佐賀を拠点に競技を続ける意向だ。目標としているのは国内最高峰の「全日本スキー技術選手権大会」でスーパーファイナルに進出すること。まずは高校生活最後となる3月の「全日本スキージュニア技術選手権大会」で10位以内を目標に、雪原に向かう。