国スポを「集大成」に
不本意だった全国6位
中島望結選手は15ポンドのボールを磨きながら、60フィート(約18メートル)先にある10本のピンから視線を外さない。ゆったりとしたフォームから放たれたボールはヘッドピンをわずかに外れ、3本ほど残った。それも、2投目できれいに倒す。その後も、故意にピンを残しながら、次のスローでスペアを取るトレーニングを続けた。
今年1月、愛知県であった高校選手権。女子個人では6位に入賞した。中島選手はこの結果に「不本意」と不満そうな表情を隠そうとはしない。「優勝するつもりでした。でも力んでしまった」。大会でスペアをうまくとれなかったことを反省点にあげる。「右隅に残ったピンと、3本ほどまとまったピンを処理するのが苦手なんです」
6歳から本格的に競技ボウリングを始め、小、中学時代にたびたび全国チャンピオンに輝いた。「残りは高校選手権。是が非でも優勝したい。残り1年、悔いのないように練習に励みたい」
最高のパフォーマンスを
出身は鹿島市。2024年、佐賀で開かれる国スポのボウリング競技の会場となる「ボウル・アーガス」が近くにあるということで、佐賀北高校に進学した。学校帰りに練習をこなし、土曜日は武雄市のボウリング場でプロ指導員の下田順子さんに教えを請う。ここでも、「安定してスペアを取るためにも、ボールの軌道とフォームの再現性が鍵になる」とアドバイスを受ける。
SSPホープの指定に「大変励みになる」と言い、佐賀での国スポは、「わたしのボウリング人生の集大成にしたい」と、並々ならぬ決意を示す。個人・団体での優勝は「果たすべき目標」と意気込み、多くの県民に競技ボウリングの迫力を知ってほしいと願う。「両親をはじめ、チームメートや友達、指導してくれた人たちのために、最高のパフォーマンスを見せたい」
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