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<東京パラリンピック>聖火、吉野ケ里公園で採火 特別支援学校生、種火起こし
東京パラリンピックが24日開幕するのを前に、吉野ケ里歴史公園(神埼市郡)で16日、聖火が採火され、県内の特別支援学校などの生徒たちが古代の火おこし方法「舞錐(まいぎり)式火起こし」で聖火の種火をともした。障害者スポーツの祭典へ気持ちを込めた火は東京へ運ばれる。
東京パラリンピックの聖火は、全国各地から集められた種火を一つにしてともされる。吉野ケ里歴史公園では、9校から生徒14人が参加し、摩擦で煙を立てながら火をおこした。火はたいまつに集められ、採火者がランタンに収めた。佐賀大附属特別支援学校高等部2年の岸川未来斗さんは「火おこしは大変だったが楽しかった。すごい大会を見てみたい」と期待を膨らませていた。
生徒らがともした火は佐賀市の県庁に運ばれ、集めた火を東京へ送る「出立式」が県民ホールで開かれた。式には、聴覚障害者の国際大会「デフリンピック」の競泳で金メダルを獲得し、今回のパラリンピックの聖火リレーに佐賀県代表として参加する金持義和さん(27)=唐津商高出身、メルカリ=が出席。生徒らがともした火を収めたランタンは、うれしの特別支援学校高等部3年の宮園莉子さんから金持さんに引き渡された。
20日の集火式でパラリンピックの聖火が誕生する。集火式に参加予定の金持さんは「佐賀県から熱いエールを送ることを誓う」と力強く述べた。(岩本大志)
■全障スポへの追い風を期待
東京パラリンピックの開幕まであと1週間。佐賀県内のパラ競技関係者は、今大会が2024年に県内で開かれる全国障害者スポーツ大会(全障スポ)への機運を高め、競技力向上の追い風になることを期待している。
県庁での出立式に出席した県障がい者スポーツ協会の末次康裕会長(78)は、県勢として車いすテニス女子の大谷桃子選手だけが出場することに「少し寂しいね」と話す。全障スポに向け、「選手を発掘して増やしていきたい。パラリンピックを機会に自分もやってみようと思う人が増えれば」と競技人口の拡大に期待を寄せた。
出立式で選手にエールを送った1996年アトランタパラリンピック男子マラソン金メダリストの栁川春己さん(65)は「パラリンピックに採用された競技への理解が高まる。このいい流れを生かしてほしい」と笑顔で語った。(草野杏実)
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