西九州大(神埼市)は、女子選手に自身の体について知ってもらうことを目的に始めた高校生向けの「アスリート健診」を、本年度から男子選手にも実施する。女子選手に多く見られる貧血や疲労骨折は男子選手も注意が必要で、血液検査や骨密度測定によって予測と早期発見を目指す。県内在住の男女200人を対象に、1回目の健診を8月に行う。

アスリート健診は、県の女性アスリート医科学支援モデル事業として昨年度に始めた。スポーツ障害のリスクに対応し、高校生アスリートの健康維持や競技力向上につなげることを目指している。同大健康福祉学部の庄野菜穂子特命教授を中心に取り組んでいる。

昨年度は4校の陸上部や柔道部などの女子選手87人が健診を受け、血液検査をした選手の約2割が、ヘモグロビンが目標値を下回る「スポーツ貧血」であることなどがわかった。庄野特命教授は「女子と比べて少ないが、男子でも貧血や疲労骨折は起こりうる。練習できずに挫折してしまう選手の声も聞こえてきている」と話す。

健診は問診や採血、体組成や骨密度の測定などで約1時間。参加無料で、佐賀市の同大佐賀キャンパスで行う。健診日は8月16、20、21、22日の午後2時から午後5時まで。25年2月に2度目を実施する予定。

庄野特命教授は「なかなか練習の成果が出ない時や、疲れやすかったり、痛みを我慢している選手は気軽に参加してほしい」と呼びかける。問い合わせは庄野特命教授、電話080(2898)1962。(小部亮介)