スポーツの地域づくり推進へ 武雄市、官民一体でコミッション設立
武雄市はスポーツを通した地域活性化を官民一体となって推進するスポーツコミッションを立ち上げ、19日に市内で設立記念シンポジウムを開いた。スポーツマネジメント会社代表の渡部健介さんが「ローカルの力を束ねる」をテーマに講演し、取り組みを紹介した。
渡部さんはテニスの指導者からキャリアをスタートさせ、会社設立後は選手の育成や地域づくり、世界との連携を掛け合わせた事業を全国で展開している。
講演では石川県七尾市のテニス合宿の事例を取り上げ、ポーランドのテニス愛好家を招いて練習しながら文化と環境も体験してもらう企画内容を説明した。「地元の旅館がおもてなしの気持ちを込めて魚の舟盛りを出したが、生魚を食べる習慣がなくて誰も食べなかった」といった失敗談も披露した。
コロナ禍で外国との交流は難しい中、「少人数のグループを定期的に招くことがベスト。参加者が地域の文化に触れることによって、自らの感性を磨けるような企画が望ましい」とアドバイスした。
シンポジウムには約50人が参加した。「スポーツ選手の心に響くサービスとは何か」との質問に、渡部さんは「心遣いは大切だが、あまり過度にしない方がいい」と答えた。(澤登滋)

スポーツを通じたまちづくりを考えたシンポジウム=武雄市図書館・歴史資料館