FUJII Tomoki

楽しむテニスで全国へ

非凡なオールラウンダー

 中学1年の時、「第1回アジアジュニアソフトテニス選手権大会」に出場した。12歳以下のシングルス男子の部で優勝する快挙を成し遂げた。決勝では台湾代表の選手と対戦し、3セット先取後に2セットを奪われる難しい展開だったが、持ち味の粘り強さで勢いを盛り返し、栄冠をつかんだ。
 ソフトテニスとの出会いは小学3年の時。先にテニスを始めていた兄の影響だった。地元のクラブチームに入りラケットを握ると「テニスが楽しくて仕方なくなった」。クラブに加え、兄も練習につきあってくれた。
 ソフトテニスはダブルスがメーン。前衛だが、サーブやストロークも得意なオールラウンダーだ。身長も伸び盛りで、筋力もつくなど体力が大幅に向上。県選抜チームでの心肺トレーニングなどの成果もあり、高校生相手の長いラリーでも競り負けることが少なくなった。練習でも積極的に声を出し、自分だけでなく周りも盛り上げる。「仲間と力を合わせ、勝ったときの喜びがなんとも言えない」と話すなど、チームを大切にするリーダー的存在でもある。

全国の舞台を渇望

 いまもテニスは楽しいか、との質問に「楽しい」と笑顔で即答する。コートでの練習はもちろん、コロナ禍で自宅待機を強いられたときも、腹筋などの筋力トレーニングを精力的にこなした。課題は「決めることができるスマッシュの力」と自らを冷静に分析している。全国中学体育大会への出場はかなわなかったが、全国レベルの実力は間違いなく備わっている。だからこそ、活躍の舞台を求める気持ちは高まっている。「高校では全国の上位を目指したい」と、その視線は早くも次のステージに向いていた。
 2024年の佐賀国スポ開催を高校3年で向かえる。その頂点に対する思いは強い。「楽しむテニス」のその先に、全国選抜、インターハイ、国スポの高校三冠を見せてくれる日が楽しみだ。

藤井 智暉 選手

競技:ソフトテニス

ふじい ともき

2007年生まれ、嬉野市塩田町出身。ソフトテニスをしていた兄の影響で、小学3年からテニスを始めた。小学6年の3月、「全国小学生ソフトテニス大会」に出場。男子シングルスでベスト8に残る成績を残した。2019年8月、フィリピンであった「第1回アジアジュニアソフトテニス選手権大会」で、12歳以下のシングルス男子の部で優勝、ダブルスでも3位入賞を果たした。令和元年佐賀県スポーツ賞優秀賞を受賞。