OKAMOTO Ruka

2028年、ロス五輪へ

努力惜しまない“練習の虫”

 「バシッ」。道場内に響く、ミットを蹴る乾いた音。岡本留佳選手は、柔軟な体を生かした変化に富む攻撃を得意としている。足技も多彩で、トレーニングでは常に15~20種類の蹴りを、繰り返し練習するという。「仲間と一緒に考えながら、できないことができるようになる瞬間が何より楽しい」と話すほどの“練習の虫”。最終目標は「オリンピックでメダルを取ること」。2028年のロサンゼルス五輪を見据え、佐賀市片田江にある道場で汗を流している。
 テコンドー一本かと思いきや、高校ではバドミントン部に所属。高校総体にも出場した。バドミントンはテコンドーと同様、下半身の強化が勝敗を分けるスポーツ。二つの競技を続けるのは大変では、という問いにも「全く。練習をやり終えたときの『やったぁ』という感じが好き」と即答した。二足のわらじを履くことで、「テコンドーでは使わない筋肉が鍛えられ、体幹がしっかりしてきた」と手応えを感じているという。

全日本で優勝

 2019年、初めて日本代表としてヨルダンの首都アンマンで開かれたアジアカデット(12~14歳)選手権に出場した。だが、国際舞台のデビュー戦は思うように自分の力を出すことができず、1回戦で敗退。一方で、大舞台での経験不足という課題も明確になった。その後、世界を襲った新型コロナウイルスの影響で国際大会はおろか、多くの国内大会も中止になった。
それでも目標を見失うことなく、着実にトレーニングを重ねた結果が花を開いた。2021年12月、大阪で開かれた全日本テコンドー選手権大会。代表クラスがひしめくシニア階級への挑戦で、念願の日本一に。大会の最優秀選手にも選ばれる活躍を見せた。日本代表に定着することも、現実味を帯びてきた。目標としていたロス五輪の前には、パリ(2024年開催)がある。佐賀生まれのオルグル(上段)ヒッターが世界で活躍する日が、ぐっと近づいてきた。

岡本 留佳 選手

競技:テコンドー

おかもと るか

2006年生まれ。佐賀市出身。3歳からテコンドーを始め、幼少期から頭角を現す。2019年にヨルダンであったアジアカデット選手権に日本代表として出場。2021年3月の全国少年少女選抜大会ジュニア46キロ級で優勝。2021年12月、全日本テコンドー選手権大会46キロ級で優勝し、最優秀選手に選ばれる。全日本テコンドー協会強化選手。Hama House 所属。