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いつも自己ベストを狙って

全障スポ、大会新で2冠

 初めて出場した全国障害者スポーツ大会「いちご一会(いちえ)とちぎ大会2022」。陸上1500メートルの知的障害者少年男子の部を大会新記録となる4分2秒88で制した。周囲が初出場での快挙に沸く一方で、本人は翌日の800メートルに集中していた。結果は、2日連続の大会記録更新。1分59秒37の堂々たる記録で頂点に立った。
 1500メートルでは、序盤から一人旅となりペース配分が難しいレースだったが、気持ちを切らさず、新記録につなげた。「競る相手がいればもっといいタイムが出せた」と、今後につながるレースとなった。
 スタートから飛び出した800メートルでは、最初の1週は59秒と想定よりも2秒遅れたが、後半に粘りを見せて2分を切る走りを見せた。2種目とも、当初の狙い通りに大会記録の更新を果たし、初出場の全障スポは大きな自信を手にした大会となった。

ライバルたちの存在

 小学3年のから、兄の背中を追いかけて地元の陸上クラブで走り始めた。仲間たちと競って走ること、自己ベストを出すことが純粋に楽しかった。中学の時には県内一周駅伝の伊万里市チームに選ばれるなど、地元のトップ選手として活躍。伊万里特別支援学校高等部に進学後は、伊万里実業高校の陸上部の練習に参加している。
 全章スポでの活躍で、伊万里市民賞を贈られた。活躍を認められたことはうれしいが、「もっといい成績、タイムを残したい」とさらなる意欲を見せる。

パラリンピックを目指し

 パラ競技には、2022年から本格的に参加している。日本知的障がい者陸上競技連盟の育成指定選手にも選ばれ、国際大会も意識するようになってきた。ただ、パラリンピックを含むシニアの大会で戦うには「まだスピードが足りない」。
 最近は体重管理などの体調面にも気を使うなど、アスリートとしての意識も高まってきた。今見えている最終目標は、2028年のロサンゼルスパラリンピック。そのための試金石として、2024年の佐賀全障スポがある。「もっともっと、活躍できる選手になりたい」。

大川内 健太 選手

競技:陸上(中距離)・パラ

おおかわち けんた

2006年、伊万里市生まれ。啓成中-伊万里特別支援学校高等部。小学3年から、地元クラブで陸上を始める。中学では県内一周駅伝伊万里市チームの一員としても活躍。2022年全国障害者スポーツ大会で、陸上800メートル(知的障害者少年男子)、1500メートル(同)を大会新記録で制する。ベストタイム(800メートル・1分57秒34、1500メートル・4分0秒42)。日本知的障がい者陸上競技連盟育成指定選手。