HARA Shun

結果で地元に恩返しを

やり切った、かごしま国体

 特別国民体育大会「燃ゆる感動 かごしま国体」のホッケー少年男子準々決勝。昨年の栃木国体で4強入りを果たした伊万里実高は岐阜と対戦し、3―3からのシュートアウト(SO)戦を落とし、惜しくも敗れた。主将を務め、全得点を叩き出しただけに「悔しくて涙したけど、チームみんなでやり切ったという充実感もあった」と振り返る。
 ホッケーを始めたのは小学1年のとき。父親の友人の縁で練習を見に行った際、「面白そうだ。やってみたい」と思った。本格的にスポーツに挑戦するのは初めてだったが、1歳上の兄と一緒に練習に通った。

ホッケーをやめたいときも

 ホッケーに取り組む日々が続いたが、小学校時代はなかなか勝てなかったこともあり、やめたいと思ったことも何回かあった。「ホッケーは楽しい半面、難しかった。当時は『親にやらされている』という思いもあったし、自分の技術に納得がいかなかった時などやめたかった」という。
 ホッケーへの姿勢が変わったのは中学2年の時の九州大会優勝がきっかけだった。「試合に勝てるようになると、とたんに楽しくなった」。自主練などで力を付けていったことに加え、チーム全員が「全国大会出場」の目標を持ったことで一つにまとまり、勝てるようになったという。
 高校では2年時の国体4強をはじめ、3年時の九州3冠などさまざまな好成績を残した。鹿児島国体では、本職のDFからFWにポジションを変更して出場。監督やチームメートの期待に応えて3得点を挙げた。また中学3年時にU―15、高校2年時にU―17、高校3年時にU―18と、日本代表に3回選ばれた経験があり、「競技にかける思いや練習への取り組み方など代表レベルのすごさを肌で感じた。経験したことを自分たちのチームに還元したいという気持ちで臨んだ」と振り返る。

オリンピック、W杯へ

 卒業後は関西の強豪・天理大への進学が決まっており、次のステップで競技を続ける予定だ。全国から集まるトップ選手たちとの競争は激しくなることが予想されるが、まずは当面の目標を3年後に開かれるU―21アジアカップの代表に選ばれることに照準を合わせている。2024年のSAGA2024も「伊万里実業OBとして出場し、育ててくれた地元に恩返ししたい。目標は優勝」と力強く語る。その先はフル代表選出を見据えており、「オリンピックやW杯で活躍できる選手になりたい」と目を輝かせた。

原 駿 選手

競技:ホッケー

はら しゅん

2005年、伊万里市生まれ。小学1年の時に伊万里ホッケースポーツ少年団でホッケーを始め、中学進学後は強豪・伊万里クラブに所属。伊万里実業高校に進学し、国体4強をはじめ、インターハイ出場などを果たした。ポジションはこれまではDFがメインだったが、FWやMFの経験もある。天理大進学後は攻撃的なポジションでの活躍を狙っている