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<東京五輪・ソフトボール>藤田、内藤選手活躍 先輩の競演「力もらえた」
久保田先生、見ていただけましたか―。東京五輪のソフトボール日本代表戦。佐賀女子高出身の藤田倭(やまと)選手(30)と内藤実穂(みのり)選手(27)が、本塁打の競演で開幕前の五輪に花を添えた。2人の母校となる同校では、ソフトボール部の後輩らが、大先輩の獅子奮迅の活躍に感動の拍手を送った。
新型コロナウイルス感染症対策のため、後輩らは間隔を空けて座り、鳴り物は使わず拍手でエールを送った。最前列には2人を指導した久保田昭監督の遺影や思い出の品が並び、かたずをのんで試合を見守った。
三回に内藤選手が逆転の2点本塁打を放ち、四回には藤田選手も2点本塁打。白星スタートに大きく貢献した。内藤選手と同じ中学出身の同校2年枝松愛子さんは「あこがれの存在で、打てると信じていた。同じ3番打者。チャンスの場面で1本を打てるようになりたい」と声を弾ませ、主将の3年大久保凜さんは「夢のような舞台で活躍されている先輩に恥じないよう、全国総体を戦いたい。力をもらえた」と話した。
久保田監督とともに当時コーチとして2人を指導した同校の津上さおり監督は、初回、投球練習を行う藤田選手が映し出されると、感極まり席を離れた。「大会を迎えるまで、いろいろな思いを背負って苦しかっただろうなと思う」。目元を赤らめて応援に戻った。
内藤選手は高校時代、走者が出ていると、当時の監督は送りバントをさせず、「打て」のサインを送った。当時から勝負強い打者だったといい、「1打席目もいい顔をしていた。相変わらず強いな」と称賛。藤田選手の活躍にも「送りバントからサインが変わってもそれに応えてくれた。投手を助ける1本だった」と声を詰まらせた。
藤田選手は投打の「二刀流」も期待されていた。担任だった同校の横川由美教諭は「私の中では投げているイメージ。やっぱり五輪で投げる姿を見たい」と2戦目以降に期待を寄せる。 試合直後、藤田選手から連絡を受けた2人は顔をほころばせ、教え子の勇姿を見つめていた。佐賀で腕を磨いた2人のアスリートが、日本選手団に流れを呼び込んだ。(西浦福紗)
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