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吉丸信監督(佐賀・北陵高)が引退 熱血39年、3度の甲子園
高校球児たちを甲子園に3度導いた“名物監督”が惜しまれながらユニフォームを脱いだ。北陵高(佐賀市)の吉丸信監督(66)が10月30日、同高グラウンドで行った練習試合を最後に引退した。ラストゲームには卒業生や関係者らが詰め掛け、感慨深げにベンチの指揮官を見守った。
吉丸監督は監督歴39年。熱血漢と人情味あふれる指導で生徒たちに慕われてきた。機動力を生かした野球で唐津西時代に1度、佐賀東時代に2度、夏の県大会を制覇。佐賀東では末永真史(広島スカウト)、佐賀工では山田遥楓(西武)をプロに輩出した。
2015年に佐賀工高で定年退職を迎え、16年からは北陵の監督に就任。18年秋には同校を初の九州大会へと導き、今年度、高校野球の発展に尽力したとして県高野連から育成功労賞を贈られた。
「北陵で甲子園に行けなかった心残りはあるが、少しほっとしている部分もある」。体調を崩し2月に入院。家族にも心配をかけた。進退について複雑な思いを抱えていたが、先月中旬に決心した。「選手たちに引退を告げた時、涙を流してくれたことで救われた」
練習試合は佐賀東時代の教え子・大坪慎一監督が指揮を執る鳥栖工と対戦。10―2で勝ち、試合後には惜別のノックを放った。セレモニーでは「感謝の気持ちを持って、夏に向けて頑張ってくれることを期待している」と、声を詰まらせながら語り掛けた。
2年の豊福優太主将は「一番自分たちのことを思ってくれた大好きな先生」と話し、「教わった足を使った野球を進化させて成長した姿を見せたい」。恩師の新たな門出に誓いを立てた。(西浦福紗)
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