1年前の悔しさを同じ舞台で晴らした。なぎなた女子団体で3位に入賞した牛津は、主将としてけん引した松瀬陽菜が先ぽうとして意地の全勝。優勝した南陽との一戦でも1本勝ちを収め、尾形美和監督は「強い相手にも踏ん張って取ってくれた」とたたえた。

団体の流れを左右する先ぽうを任された松瀬は、1回戦から役割を全うした。相手の動きを読みながらスネを打ち込み、全国大会常連の琴平との準々決勝では、試合開始直後に出足鋭いメンを決めるなど多彩な攻めを見せた。

個人戦1、2位の選手が中堅と大将に控える南陽との準決勝。「試合は3分しかない。自分の技を出して攻め勝つ」と松瀬は後ろの2人にいい流れを渡す決意で試合場に立った。開始1分22秒、スネを狙ってきた相手の隙を逃さず、メンを奪った。

団体3回戦で敗退した昨年の全国選抜は「何もできなくて後悔だけが残った」。この大会に懸ける思いは誰よりも強く、「後輩を引っ張りながら全勝できた。後悔はない」と胸を張る。尾形監督も「(松瀬は)工夫して戦っており、成長が見えた。この姿を見て後輩たちが頑張ってくれれば」とチームの成長に期待を込めた。(小部亮介)