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<全国高校選抜>レスリング・鳥栖工、競り負け3位 絶対王者に雪辱ならず
絶対的エースの甫木元起に勝利の火をつなぐことはできなかった。鳥栖工は、昨夏の全国高校総体準決勝で敗れた日体大柏(千葉)にまたも屈した。甫木は「自分のプレーにも納得できない。3位では意味がない」と1勝を挙げるも、主将の顔に悔しさがにじんだ。
準々決勝で東海地区王者の飛龍(静岡)に、最初の4人が勝利し、すぐに4強入りを決めた。だが、準決勝は1、2番手の51キロ、55キロ級がテクニカルフォール負けを喫すなど昨夏の総体王者に序盤から苦しめられ、“最後の砦”の甫木にたどり着く前に4敗した。
それでも、60キロ級の伊藤海里が「自分の番で流れをつくり直す」と昨年全国選抜個人2位の相手に食らいつき判定勝ち。前の試合で敗れていた71キロ級の白川大虎も時間を使ってポイントを守り抜き、ともに1年生が僅差で勝利を収めた。
3月始めに主力の1人で九州65キロを制した松原拓郎が左足をけがし戦線を離れた。一つ階級を上げ松原の代役を担った同じ1年生の前田太晟が準々決勝までを全て勝利するなど、小柴監督は「夏からどの選手も成長している部分がたくさんあった。1年生もいい経験をしてくれた」とねぎらった。
「僅差の戦いになったら、絶対負けない鳥栖工をつくっていきたい」。昨年を超える夏に向け、甫木は静かにうなずいた。(鶴澤弘樹)
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