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<柔道・ジュニア選手権>田中龍雅(佐賀商高3年)有言実行の世界一

有言実行でジュニア世界一に輝いた。8月上旬にエクアドルで開催された世界ジュニア柔道選手権大会で、男子73キロ級に日本代表として出場した田中龍雅(佐賀商高3年)が決勝でジョージアの選手に勝利。大会前に「力を出し切れば勝てる」と自信をのぞかせていた田中は「優勝直後に会場が大きく盛り上がり、世界一になった実感がすぐ湧いた」と喜んだ。

1、2回戦は一本勝ちし、準々決勝は相手に三つの指導が与えられて勝利を収めた。ジョージアの選手との準決勝は開始直後に袖釣り込み腰で奪った技ありを守った。

決勝の相手はシニアのグランドスラムで優勝経験のあるジョージアの選手。序盤は相手に押されたが、徐々にリズムをつかんだ。1度は抑え込まれたが「抜け出せる」(田中)と、逆に抑え込んで勝利をつかんだ。

田中は同時期に愛媛県で開かれた全国総体を辞退して世界ジュニアに臨んだ。「インターハイに出ない分、絶対に優勝する」と誓っていた。大会前には腰を痛め、1カ月以上練習を積めなかった。「不安はあった」と口にするが、対戦の可能性のある選手の動画などを見て研究し、大舞台に備えた。

辞退した全国総体では、個人戦で女子の近藤美月や水間仁子が優勝するなど、佐賀商勢が躍動した。チームメートが活躍する姿は、できるだけオンライン配信で確認し、刺激を受けた。

高校入学時は国内大会での優勝が目標で「世界は視野に入っていなかった」と田中。想定以上の成長を遂げた今、目指す先は2028年のロサンゼルス五輪で頂点に立つこと。「早くから世界で結果を出すことができた」と手応えを感じる。

「兄は近づいたと思ったら、さらに遠くに行く。弟も下から圧をかけてきている」。成長の裏には世界を舞台に躍動する兄龍馬(筑波大3年)や、8月の全国中学校大会で2位に入った弟龍希(昭栄中3年)の存在も大きい。

大学でも競技を続ける田中。6年後に最高の色のメダルを掲げるため、さらなる進化を遂げるつもりだ。(小部亮介)


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