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科学的の目で選手に助言 西九州大学が「アスリートフィットネスチェック事業」 佐賀県と連携、競技力向上目指す
西九州大(神埼市)と佐賀県が連携して「アスリートフィットネスチェック事業」に取り組んでいる。筋力量などを数値化することで、選手にトレーニング効果を実感してもらうことが狙い。科学的な測定を基にフィードバックし、体力や競技力の向上を目指す。
県が2018年から取り組むSAGAスポーツピラミッド構想(SSP構想)の一環で、同大に23年10月、アスリート向けの高度な体力測定や分析を行う「スポーツ健康科学センター」を開設した。24年1月末からSSP認定アスリートらを対象に本格的な測定を始めている。
跳躍時の滞空時間や高さを測定したり、ランニングマシンで走行距離や酸素摂取量を計測したりして数値化。国立スポーツ科学センター(東京)と同等の測定機器が備えられており、五輪選手の数値と比較することもできる。
24年3月までにローイングや飛び込みなど8競技団体の延べ33人が利用した。3月28日には、スポーツコーチング学などが専門の同大スポーツ健康福祉学科講師の甲木秀典さん(39)が見守る中、佐賀商業高と佐賀西高でフェンシングに打ち込む4人が測定に臨んだ。「頑張れ。まだいけるよ」「前回よりも跳べてるね。いいぞ」。学生らから声をかけられた選手は懸命に力を発揮した。
選手は結果が見えることでやる気につながり、次に向けた方向性を示しやすくなる。甲木さんは「これまでは『跳べるようになったかも』などと感覚的だったものが、データで見ることで自分を知るきっかけになる」と指摘する。
佐賀商業高の久家なつめさん(17)は瞬発力や跳躍力の数値向上を喜ぶ。「自己管理を計画的にできるようになった」といい、体組成の分析などを踏まえて食事量などを調整し、左右の筋力差を小さくするためにトレーニングも工夫してきた。佐賀西高の一ノ瀬桜さん(17)は「数字だと成長が分かる。シニア世代の数値を超えていた部分は維持、向上に努めたい」と意欲を見せた。
全国では筑波大や大阪体育大などが、日本の国際競技力向上拠点であるハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)と連携している。九州で同様の機関はなく、西九州大と県は、先進的な拠点となるようにHPSCとの連携を目指していく。(小部亮介)
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